
「最近、少し歩いただけで疲れる」「足の先が冷たい気がする」「小さなケガがなかなか治らない」——。
もし、そんな“脚の不調”を感じていたら、それはあなたの身体からの大切なサインかもしれません。
私たちの“歩く力”を支える脚。その健康を守るために知っておきたいことが、日本フットケア・足病医学会によるメディア向けセミナーで語られました。
歩く力が衰えると、生活の質まで下がってしまう
セミナーで話をしたのは、同学会の理事長であり神戸大学の寺師浩人教授。
「歩くことができるかどうかは、健康寿命を大きく左右します。脚の異変は、実は“全身の健康”に直結しているんです」と話します。
特に気をつけたいのが、「下肢動脈疾患(かしどうみゃくしっかん)」と呼ばれる病気。
これは脚の血管が細くなったり詰まったりして、血流が悪くなることで、しびれや冷え、最悪の場合は脚の切断にまでつながってしまう病気です。
なんと日本では約400万人がこの病気を抱えていると推定されており、自覚症状がある人だけでも100万人にのぼるそうです。

透析や糖尿病がある人は特に注意を
特に気をつけたいのが、透析治療を受けている人や糖尿病のある人。こうした持病がある人は、脚の血流が悪くなりやすく、傷が治りにくかったり、感染しやすかったりすることがあります。
「たとえ脚にできた小さな傷でも、血の巡りが悪いと治るまでに時間がかかります。しかも歩く力もどんどん低下していくんです」と寺師教授は警鐘を鳴らします。
特に高齢の方にとっては、歩けるかどうかが生活の質を左右する大きな要素。たとえば脚を切断するような事態になれば、それだけで寝たきりになったり、認知症が進んだりするケースもあるのです。
脚の異変、見逃していませんか?
では、実際にどんなサインに気をつければよいのでしょうか。
以下のような症状に心当たりがあれば、早めに専門医に相談してみてください。
- 少し歩いただけで足が痛くなり、休むと楽になる(間欠性跛行)
- 足先がいつも冷たい、またはしびれる
- 小さな傷がなかなか治らない
- 足の色が他の部分と違う
- 歩くスピードが遅くなった、つまずきやすい
これらはすべて、脚の血流や筋力の低下など「歩行の危機」を知らせる兆候です。
「切断しない未来」をつくるために、いま知っておきたいこと
日本フットケア・足病医学会では、こうした脚のトラブルを少しでも減らすために、さまざまな研究や啓発活動を行っています。今回のセミナーでは、フレイル(加齢による心身の衰え)や脚の血管の状態に関する新たな研究プロジェクトも紹介されました。

歩くことは、単なる移動手段ではなく、「生きる力」そのもの。
だからこそ、脚の不調を「年のせい」とあきらめず、早めのケアを心がけたいものです。
あなたの脚は、あなたの未来を支える大切なパートナー。
ちょっとした違和感も、そのままにせず、「気づく力」と「行動する勇気」を大切にしましょう。
編集部より
病気は、誰にでも起こりうるもの。
「なんだかおかしいな」と感じたら、その小さな違和感を見逃さず、無理せずに迷わず病院へ足を運びましょう。
健康こそ、人生の土台です。
大切なカラダとココロをいたわりながら、毎日を自分らしく歩んでいきましょう。
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