「塩の一粒に広がる宇宙」――この詩的なテーマのもと、パキスタンは2025年8月14日、 大阪・関西万博 のパキスタンパビリオンにて、情熱と誇りに満ちたナショナルデーの式典を開催しました。文化、ファッション、そして経済的ビジョンを交差させた祝祭は、来場者の心に静かに、しかし確かに刻まれたのです。

1. 国旗が翻るとき――絆と祝福の瞬間
ナショナルデー当日、午前11時にレイガーデンの式典会場に緊張が走りました。国旗掲揚、国歌斉唱、そして式典の導入。眼の前に広がる荘厳な空気の中で、パキスタン首相特別補佐官(産業・生産担当)ハルーン・アクタル・カーン氏は、国の文化的伝統と産業革命の歩みを力強く語りました。シャリフ首相のリーダーシップのもと、デジタル変革と持続可能な成長を土台とした国家の未来像が熱を帯びて語られる様子は、来場者を深く揺さぶりました。

2. 踊る民族、語る歴史――舞台に広がる多様な文化
パキスタン国立芸術評議会(PNCA)による舞台は、まるで色彩の饗宴。パンジャブ、シンド、カシミールなど地域ごとの民族舞踊が繰り広げられ、訪れた人々の目と心を奪いました。特筆すべきは、古代タキシラをテーマにした「Taxila Odyssey」。踊りを通じて物語る歴史の深みと文化の豊かさは、万博という国際舞台に見事に映えていました。

3. 着物 × パキスタン生地――異文化が織りなすファッションの声明
午後には、日本人デザイナー・服部由奈氏(KANON)が手がけたファッションショーが開催されました。リサイクル着物の布地とパキスタンの伝統テキスタイルがひとつの服に昇華され、エレガンスとサステナビリティが融合した表現が観客を魅了しました。この日のランウェイは、まさに国際文化の融合が生む美の実例でした。
4. 記者会見で語られた“未来のパキスタン”
メディアセンターで行われた記者会見では、「文化・商業・革新を創るパキスタン(Made in Pakistan: Crafting Culture, Commerce & Innovation)」をテーマに、産業的な魅力が語られました。繊維、革製品、医療機器などの輸出品に加え、未来の成長産業への期待が表明され、冊子『Pakistan – A Land of Endless Opportunities』が公開され、多くの来場者の関心を集めました。

5. 夜の饗宴と閉幕の余韻――3日間を彩る祝福の連なり
夕方にはナショナルデーディナーが行われ、もてなしの心と美食が訪問者を包みました。最終日は南側ポップアップステージでパフォーマンスが披露され、3日間にわたる祝祭は文化、創造、共感と未来への希望のひもとともに幕を閉じました。

編集部より
「The Universe in a Grain of Salt(塩の一粒に広がる宇宙)」――そのフレーズに込められた深い意味は、まさしく“少しの存在にも無限の可能性が宿る”という哲学。万博を訪れた人々は、その空間と時間を通じて、国の歴史や文化だけでなく、未来へのビジョンにも心を動かされたことでしょう。
多様な民族の舞踊、サステナブルなファッション、産業とイノベーションの語り。すべてが混じり合い、一粒の“今”から広がる文化交流と経済対話は、まさに今を生きる私たちにとって、かけがえのない経験となりました。
立ち止まってその場の空気を感じ、文化の重みを味わう――そんな瞬間が、未来への創造の扉になるのかもしれません。
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