
“1年に一度の思考力フェスティバル”──9月14日、日本科学未来館に集まったのは、『Think!Think!(シンクシンク)』というアプリを通じて「考える力」を育んでいる全国の子どもたち、約400名。そして、遠くカンボジアからやってきた13名の代表。会場は、知的好奇心が渦を巻き、純粋な挑戦と笑顔の熱気に満ちていました。
“思考力を育てるって、こういうことなんだ”――そんな感覚が心に刻まれた、「シンクシンクカップ2025」の開催。
日常の先にある挑戦のかたち
『シンクシンク』は、空間認識、平面認識、試行錯誤、論理、数的処理という5つの分野を、遊び感覚で体験できる知育アプリ。世界150か国で300万人以上が使っており、子どもたちにとって“考えること”を楽しむツールになっています。
このアプリで日々トレーニングを重ねてきた子どもたちが、「リアルの場」でその力を試すのがこのイベント。画面の中だけでない、“実際に目を見て、手を動かし、時間と競い合う”挑戦は、子どもたちの表情に“生きている実感”を与えていました。

会場がひとつになる瞬間
大会の前には、親子で挑む「親子ミッション」や、未来館の展示を使った「なぞときワンダーラリー」、発売前のパズルゲームを試す「ブースミッション」など、多彩な体験型コンテンツも。子どもだけでなく保護者も一緒になって参加し、笑いあり、驚きありの時間が流れます。これがただの競技会ではない、“思考する楽しさ”や“知ることのワクワク”を共有するフェスであることを、会場全体が教えてくれました。
そして本番の「大会ミッション」。年中・年長から中学生まで4部門に分かれて、各部で問題に挑戦。ルーレットで問題が決まると、子どもたちは静かに集中し、時に「よっしゃ!」の声で一体感を爆発させる。間違えて悔し顔を見せる子も、最後まであきらめずに頑張るその姿には胸が熱くなりました。

小さな「悔しい」が、大きな力になる
優勝者の声には、日々の積み重ねと、悔しさから芽生えた努力が隠れていました。
- 「去年参加したときは入賞すらできなかった。でも悔しさが自分を強くしてくれたと思います。」 ― 小学2年生の女の子。
- 「最近あまりやれてなかったけど、参加が決まってからまた練習を始めた。優勝できて嬉しい。」 ― 中学1年生の男の子。
挑戦すること、負けること、それでも前に進むことが、子どもたちにとって何より意味があるのだと、彼らの言葉が教えてくれます。
世界を身近にする経験
今年はカンボジア代表の子どもたちも来場。国を超えた子ども同士の競争と交流は、「考えること」に国境はないというメッセージを、その場で自然に伝えていました。互いの言葉が通じなくても、問題に取り組む姿と真剣さは共通言語に。子どもたちが“世界”を感じる機会がここにあったのです。

考えることが、人生を彩る色になる
思考力を育てることは、ただ“良い成績”に繋がるだけではありません。問題を読み解く力、自分で考え判断する力、試行錯誤を恐れない心――それらは人生のあらゆる場面で役立ちます。そして、考える楽しさを早くから知ることは、子どもたちの日々を鮮やかに豊かに変えてくれるきっかけとなるでしょう。
“考えること”が日常になると、朝の通学、友達との会話、小さな疑問を探る時間――すべてが学びになるからです。そんな生き生きとした毎日が、この「シンクシンクカップ」の場でひとつの姿を見せていたように感じます。
編集部より
子どもたちが「わくわく」「ドキドキ」を胸に抱いて挑む姿には、美しさがあります。勝ち負け以上に、その笑顔と一生懸命さが、見る人の心に豊かさを残してくれるからです。
「自分で考えることが楽しい」と思える、小さな勇気の種を蒔く日。それは間違いなく、未来を生きる子どもたちにとって、希望の光です。
Leave a comment